2009-01-01から1年間の記事一覧

島田裕巳 『金融恐慌とユダヤ・イスラム教』

東西冷戦の終結により、「政治」に代わって「経済」と「宗教」の重要性が増し、その動向に世界的な注目が集まるようになったと宗教学者・島田裕巳は指摘する。イスラム教地域の国々が寡占するオイルマネーによる国際的発言力は言うまでもなく、「グローバル…

ロン・ハワード 『天使と悪魔』

冬休みということで、ダン・ブラウン原作の同名映画DVDを借りて観る。5月15日の世界同時公開前後に、CERNで実際に反物質の研究に携わっている早野龍五がマスコミにコメントを寄せるなど(「現在の技術で、映画にでてくる4分の1グラムの反水素原子を作ろうと…

ささやきながらその骨を

新宿Book 1stにて大江健三郎『水死』(講談社)を購入。中高時代、『個人的な体験』『万延元年のフットボール』から『同時代ゲーム』までの長編作品を貪るように読みながら、これまで80年代以降の作品を読む機会はほとんどなかった。しかし、自ら「後期の仕…

理性主義への疑義

丸善にて上村忠男『ヴィーコ』(中公新書)、林浩平『折口信夫 霊性の思索者』(平凡社新書)、秦剛平『聖母マリアとキリスト教伝説』(ちくま学芸文庫)、ウィリアム・H・クロッパー『物理学天才列伝(上)(下)』(講談社ブルーバックス)を、書原にて井…

鈴木貞美 『戦後思想は日本を読みそこねてきた』

20世紀前半の日本が捕捉された「ナショナリズム」の陥穽を、果たして戦後民主主義はよく相対化し、乗り越えることができたのだろうか――。本書のタイトルが示すように、もし戦後思想がこれまで日本を「読み損ねてきた」とするならば、その誤読の根源はどこに…

one way ticket

米旅客機で爆破テロ未遂 容疑者、アルカイダと関係か (www.asahi.com 2009年12月26日12時45分) 25日正午前(日本時間26日未明)、米デトロイト上空を飛行中のオランダ・アムステルダム発デトロイト行きのノースウエスト航空253便(乗客278人)機…

フジファブリック / 銀河

フジファブリックのヴォーカル、志村正彦が12月24日に29歳の若さで永眠したという。iさんの勧めで聴いた『FAB FOX』はまぎれもなく衝撃的な一枚だった。合掌。

グアテマラへ

本格化する国際化時代における宗教多様性に配慮してか、環境への気遣いからか、この季節に街を歩いていても、ひと昔ほどクリスマス一色に染まった光景を目にすることは少なくなった気がする。昨今は不況の影響も深刻で、お店をやっている人に聞いても、「人…

他策ナカリシヲ信ゼム

核密約文書現存、佐藤元首相宅に保管 日米首脳の署名 (www.asahi.com 2009年12月23日3時2分) 日米の両首脳が1969年に沖縄返還を合意した際、有事における沖縄への核兵器の再持ち込みについて取り決めたとされる秘密の合意文書が、当時の首相、故・佐藤…

革命と「聖性」

丸善にてヴィクター・セベスチョン『東欧革命1989 ソ連帝国の崩壊』(白水社)、武澤秀一『神社霊場 ルーツをめぐる』(光文社新書)を、書原にて松岡正剛『連塾 方法日本II 侘び・数寄・余白』(春秋社)、熊野純彦編『日本哲学小史』(中公新書)、立川武…

図書館は人が生き延びるための場所か?

「自殺しようと思うなら、やめなさい。そのかわり図書館へおいでください」 (2009年12月21日 朝日新聞夕刊 『ニッポン人脈記 3万人の命に(9)』)

村上春樹 『めくらやなぎと眠る女』

村上春樹の登場人物たちは、自宅にいるときは大抵フィッツジェラルドかJ・G・バラード、あるいはチャールズ・ディッケンズ(ディケンズではない。ほかにも村上春樹は、例えば『1Q84』において作曲家ヤナーチェクを「ヤナーチェック」と表記している)の『荒…

Arbeit Macht Frei

アウシュビッツ入り口の看板盗まれる 収容者抵抗の象徴 (www.asahi.com 2009年12月19日0時12分) 第2次世界大戦中、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の舞台となったポーランド南部のアウシュビッツ収容所跡で18日、収容所入り口の看…

金魚の話

池袋「チボー」にて忘年会。 iさんから、室生犀星の書いた金魚の小説(『密のあはれ』)の話を聞く。いかにも可愛らしく切なそうな幻想小説だ。ほかに伊坂幸太郎『重力ピエロ』、村上春樹『めくらやなぎと眠る女』など。 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶ…

クロスワードと読書

米タイム誌「今年の人」にバーナンキFRB議長 (www.asahi.com 2009年12月17日10時59分) 米タイム誌は16日、恒例の「今年の人」に米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長(56)を選んだ。同誌は、昨年のリーマン・ショック後の経済危機対応…

バウッダ・ダルマを「読む」

丸善にて中村元+三枝充悳『バウッダ(佛教)』(講談社学術文庫)、山脇直司『社会思想史を学ぶ』(ちくま新書)、島田裕巳『金融恐慌とユダヤ・キリスト教』(文春新書)、寺島実郎『世界を知る力』(PHP新書)を購入。 バウッダ[佛教] (講談社学術文庫)作…

ISRA + TINE

カダフィ大佐、衛星通じ学生に持論 明大で対話集会 (www.asahi.com 2009年12月15日22時8分) リビアの最高指導者カダフィ大佐と明治大などの学生が15日、衛星回線を通じた対話集会に臨んだ。カダフィ氏は「これまで日本人を困らせたくないので、話すこと…

山下範久 『現代帝国論』

本書が目指しているのは、冷戦終結後の「グローバリゼーション」という大きな変化を超えて顕在化してきた「帝国」という、この謂わば“混乱した”概念の再定義化の試みである。 とりわけ、今日の国民国家における重要な変化として指摘されているのは、「国家が…

最後の特権

中国の死刑、銃殺廃止の動き 「高官は注射多い」と批判 (www.asahi.com 2009年12月13日14時10分) 「死刑大国」とされる中国で、執行方法を銃殺から薬物注射に切り替える動きが進んでいる。国内メディアによると、遼寧省の高級人民法院(高裁)は9日、銃と…

Dark Matter

宇宙の「暗黒物質」検出? 本当ならノーベル賞級の発見 (www.asahi.com 2009年12月11日14時29分) 宇宙の「物質」の4分の1を占めるとされるが、影も形もない謎の「暗黒物質」の粒子が米国でついに検出されたらしい、との報道が英米の科学雑誌や研究施設の…

Die Box

最近買った本 ギュンター・グラス 『箱型カメラ』 (集英社) ジャック・アタリ 『1492 西欧文明の世界支配』 (ちくま学芸文庫) 佐藤優 『はじめての宗教論 右巻 見えない世界の逆襲』 (NHK出版 生活人新書) 孫崎享 『日米同盟の正体 迷走する安全保障』…

友川かずき / 花々の過失

今日、偶然朝日新聞の地方版で、久しぶりに「友川かずき」の名前を目にした。友川の生き様に迫ったフランス人映像作家ビンセント・ムーンのドキュメンタリー映画『花々の過失』がこのたび完成し、記念ライブが12日に吉祥寺で開かれるという。映画は先月、デ…

宇宙のチョウは飛べない

宇宙のチョウ、浮けど飛べず 宇宙ステーションで実験 (www.asahi.com 2009年12月7日17時1分) 米カンザス大などのチームが、無重力状態の国際宇宙ステーション(ISS)でオオカバマダラと呼ばれるチョウを飛ばす実験をしたら、うまく飛べないことがわかっ…

John Lennon / GOD

神は一個の 「概念」 に 過ぎない われわれ の 痛み の 度合い を 測るための… 1941年12月8日、日本陸軍のマレー半島奇襲上陸および日本海軍のハワイ真珠湾攻撃により、アジア太平洋戦争勃発。 1980年12月8日、ジョン・レノンがセントラルパークに位置する自…

夏目漱石 『明暗』

『三四郎』といえば「無意識の偽善」(アンコンシャス・ヒポクリット)をめぐる物語であったように、文学史的には、『明暗』といえば「則天去私」の境地を描いた作品と解されている。修善寺の大患から6年を経て、再び胃潰瘍を悪化させた夏目漱石は1916年12月…

暗礁

日米協議「もう限界」 岡田外相、普天間解決に危機感 (www.asahi.com 2009年12月6日3時55分) 岡田克也外相は5日、那覇市で地元紙の沖縄タイムス社の岸本正男社長らと会談し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐる日米協議について「2カ…

Miles Davis / So What

モダン・ジャズ史上「最も成功したアルバム」と目される屈指の名盤、『Kind of Blue』1曲目のタイトル、“So What”テレビ放送用のライブ演奏。 オリジナル(1959年録音)は周知の通りキャノンボール・アダレイ(as)を加えての3管編成(pはビル・エバンス)だ…

逆輸入

koma2さんのつてで村上春樹『めくらやなぎと眠る女』(新潮社)購入。めくらやなぎと眠る女作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/11/27メディア: ペーパーバック購入: 6人 クリック: 106回この商品を含むブログ (78件) を見る

いちばん好きな言葉

内田樹のブログ(2009年11月30日)より いちばん好きな言葉は何ですか? 「はい、これで終わりです。もうお帰りになっていいですよ」 http://blog.tatsuru.com/2009/11/30_1302.php

荘厳と神秘

ART

日本画家、シルクロード 平山郁夫さん死去 79歳 (www.asahi.com 2009年12月2日14時1分) 日本画壇の第一人者で、シルクロードを描いた作品で知られ、文化財保存活動にも尽力した文化勲章受章者の平山郁夫さんが、2日午後0時38分、脳梗塞で死去した。…