パラカス後期の神秘

ナスカに新たな地上絵、斬首の場面か 山形大研究所発表 (www.asahi.com 2013年04月12日19時58分)
 
 ペルーのナスカ台地で斬首の場面を描いたともとれる新たな地上絵が発見された。山形大学人文学部付属ナスカ研究所が12日、発表した。ハチドリやコンドルを描いた地上絵より古い、紀元前400〜紀元前200年ごろ(パラカス後期)のものだという。
 
 2011年夏、ナスカ台地の中心部で同研究所メンバーが見つけ、レーザーを使って詳しく測量した。左の人物は全長約13メートル、幅7メートルで頭部が逆三角形。右の人物は頭部と胴部が分断されていて、全長約9メートル、幅8・5メートル。同研究所副所長の坂井正人教授(文化人類学アンデス考古学)は「左の人間が右の人間の首を切ったようにもみえる」と話す。
 
 また、右の人物の頭部から出ている放射状の線は、現地の古い織物にもある図柄で、重要な存在を示すと考えられており、「ある種の儀礼行為の場面が描かれている可能性もある」(坂井教授)という。ナスカの地上絵は単体の動物や幾何学模様、放射状に伸びた直線が大半で、場面を描いたものだとすればほかに例がないという。
 
 有名なハチドリなどの絵は地上の石を取り除き白い地面を出すことで線を描いているのに対し、今回見つかった絵は石を積み上げて線を描いているという。
 
 ナスカの地上絵は世界遺産で、山形大は昨年10月に現地に研究所を開設。ペルー国外の機関では唯一、現地での調査が認められている。今回の発見についてはハワイで開催された米考古学会でも6日に報告した。