脳卒中を予測する

脳卒中リスク、自分で予測 血圧など7要因から算出 (www.asahi.com 2013年03月19日19時26分)
 
 脳卒中になるリスク、自分で計算できます――。国立がん研究センターと藤田保健衛生大などのグループは、脳卒中の発症確率の予測に何が必要かを見つけ、年齢や血圧、喫煙習慣など七つから、今後10年間の発症確率を予測する算出方法を作った。自分の値を当てはめると、リスクがわかる。
 
 グループは1993年から2007年まで、全国の40〜69歳の約1万6千人を追跡調査し、約14年間で790人が脳卒中になった。生活習慣を尋ねるアンケートの回答や、健康診断の結果を照らし合わせ、どんな人が脳卒中を発症しやすいかを分析した。
 
 その結果、たばこを吸うか、肥満度を示す体格指数(BMI)、血圧、高血圧治療の降圧薬をのんでいるか、糖尿病か、年齢、性別の七つの要因を組み合わせると、10年間に脳卒中になる確率をほぼ正しく予測できることがわかった。
 
 この予測法によると、58歳の健康で喫煙習慣のない男性の今後10年の発症確率は2〜3%。高血圧で喫煙習慣や糖尿病があり、少し太めの場合、12〜15%に上がる。
 
 また発症確率を上げる要因は年齢、高血圧、喫煙の順に危険が大きく、肥満はそれらの次だった。肥満の危険性はメタボ健診(特定健診)で強調されがちだが、脳卒中予防に関する限り、影響はそれほど大きくないことになる。
 
 算出法は、がん研究センター、多目的コホート研究のサイト(http://epi.ncc.go.jp/jphc)に掲載されている。八谷(やつや)寛・藤田保健衛生大教授(公衆衛生学)は「生活習慣を見直すきっかけにしてほしい」と話す。