13万トンの小惑星

小惑星、無事に通過 最接近の「2012 DA14」 (www.asahi.com 2013年02月16日13時19分)
 
 直径45メートルの小惑星「2012 DA14」が16日、地球に最接近した。午前4時24分ごろ、地球をまわる静止衛星の軌道(高度約3万6千キロ)より内側の高度約2万8千キロに達した後、北へ抜けていった。
 
 日本からは16日午前4時ごろ、南西の空に見え始め、ゆっくりと北に移動。最接近したころはインドネシアスマトラ島上空にあり、1分間に満月2個分の速さで動く姿が見られた。午前5時すぎには、西の空でしし座のしっぽあたりを通り、さらに北に移動している途中で夜が明けた。
 
 小惑星を観測し、ネットで中継した倉敷科学センター(岡山県倉敷市)の石井元巳さんは「ほかの天体とは別方向に動き、明るさは最も明るい時で7等級くらい」と話した。
 
 小惑星は昨年2月、アマチュア天文家らが運営するスペインのラ・サグラ天文台で見つかった。観測の限界とされる直径約40メートルよりわずかに大きい程度で、日本スペースガード協会によると「偶然にも太陽光にじゃまされなかったために、見つかったのではないか」という。
 
 重さは推定13万トン。仮に衝突した場合、1908年にシベリア地方で起き、約2千平方キロの森林をなぎ倒した「ツングースカ大爆発」と同じくらいの威力があるという。人工衛星への被害も心配されたが、衝突はなかった。
 
 小惑星は地球より少し傾いた軌道で太陽を周回している。今回の接近で地球の引力の影響を受けて軌道がずれ、公転周期は短くなるとみられる。2046年2月にも地球に近づくが、100万キロよりも近づくことはないようだ。