目の細胞をつくる

iPS細胞、初の臨床研究を承認 目の細胞つくり移植 (www.asahi.com 2013年02月13日21時19分)
 
 ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から目の細胞をつくり、患者に移植する初の臨床研究について、移植手術を担う神戸市の先端医療振興財団は13日、倫理委員会にあたる再生医療審査委員会を開き、計画を条件付きで承認した。研究チームが所属する理化学研究所などは年度内にも厚生労働省に申請する。
 
 対象は、目が見えにくくなる加齢黄斑変性という病気。網膜に酸素や栄養を橋渡しする色素上皮という細胞の層が壊れ、視界が狭くなったり、視力が落ちたりする。計画では、神戸市の理研発生・再生科学総合研究センターが、患者自身の細胞からiPS細胞をつくり、色素上皮細胞に変化させてシートにする。このシートを財団の付属病院が患者の目の底に移植する。
 
 シートづくりは理研の倫理委が昨年11月に承認。財団側の委員会は研究チームに対し、iPS細胞の安全性について第4次となる確認試験の結果を報告するよう求めていた。13日の審査で「3次までの試験でも安全性は保たれている」と判断、報告を条件に計画を承認したという。
 
 患者は5〜6人を予定。厚労省の審査を通れば、患者の同意を得てiPS細胞をつくり、移植する。理研高橋政代リーダーは今月の講演で、「1例目の臨床応用(手術)は早くて1年半後」との見通しを示した。