それでも世界は終わらない

買い占め・避難・方舟チケット… マヤ暦予言、各地混乱 (www.asahi.com 2012年12月21日21時35分)
 
 古代マヤ暦の予言で「人類滅亡の日」とされる21日、滅亡自体は今のところ起きていないが、デマで生活必需品の買い占めが起きたりした国々では、騒ぎを楽しむ人も加わって混乱が続いた。
 
 ロウソクの買い占め騒ぎや、避難用の船やカプセルを造る人が各地に現れたりした中国では、21日は平静だったものの、デマの背後にあるとみられる宗教集団「全能神」への当局の摘発が続く。21日付の夕刊紙、法制晩報によると、拘束者は16の省や自治区で1300人を超えた。首都北京でも拘束者が出ている。
 
 やはり買い占めなどが起きたロシアでも、プーチン大統領が20日の一斉記者会見で「世の終わり」について聞かれ、「(太陽が寿命を迎える)45億年後に全てが終わる」と述べて21日の滅亡を否定した。メドベージェフ首相も7日のテレビ討論番組で「私は世の終わりを信じない。いずれにしろ今年は」と述べた。
 
 だが騒ぎを楽しむ市民も少なくない。中国の地元紙によると、ネット通販最大手の淘宝で「ノアの方舟(はこぶね)チケット」と称する商品は1700種類を超える。大半は友人や恋人などに贈る「ジョークグッズ」だが、過去1カ月で40万元(約500万円)を売り上げた出品者もいるという。
 
 ロイター通信によると、キリストが埋葬された「聖地」といううわさがあるフランス南部の村ビュガラッシュには、世界最後の日の避難所になるとして生き残りを図る人を取材しようと報道陣が殺到。警察官が警備しているが、「世界の終わり酒場」を開店してもうけている村人もいるという。
 
 英BBCなどによると、メキシコやグアテマラなどのゆかりの地では関連行事も開かれ、日本からも少なくとも20人が現地を訪れる。企画したユーラシア旅行社は「滅亡の日はあくまでお祭り的な要素としてとらえてもらっている」といい、年内に帰国する予定だ。