病の進化した人間

ヒトDNA、病気関わる変異急増 1万年前以降、米研究 (www.asahi.com 2012年12月4日10時15分)
 
 過去5千年から1万年で、ヒトのDNAには病気の原因となる変異が急増していることが米国立保健研究所(NIH)などのグループの遺伝子解析でわかった。英科学誌ネイチャー(電子版)に論文を発表した。
 
 グループは、米国人約7千人からDNAの提供を受け、たんぱく質の構造を決める遺伝子の変異や、変異が起きた時期を調べた。
 
 その結果、1万年前ごろから5千年前ごろ以降、病気に関わる変異が増え、現代人が持つこれらの変異のうち86%を占めていることがわかった。
 
 この時期、農耕文明が生まれるなどして、世界の総人口は500倍以上に増えたと推定されている。
 
 一般的には、生存に不利な変異が起きても自然淘汰されるはずだが、栄養状態や公衆衛生の改善による急激な人口増で、淘汰が追いつかなくなったらしい。グループは今回の結果を「病気を起こす変異研究の新しい手法の開発につながる」としている。