福島の金環日食

金環日食、クライマックスは福島 郡山の仮設で観察会(www.asahi.com 2012年5月12日11時44分)
 
 本州では129年ぶりとなる金環日食の観察会が21日朝、福島県郡山市仮設住宅で開かれる。太陽の光が、かろうじてリング状につながって見えるとされる「限界線」の上。列島を西から東へと渡っていく世紀の天体現象は、東日本大震災の被災地でクライマックスを迎える。
 
 企画したのは、郡山市ふれあい科学館の安藤享平学芸員ら有志。約500戸が並ぶ仮設住宅の敷地内に望遠鏡などを運び込む。安藤さんの知人で東京・三鷹国立天文台の専門家らも、「福島の人に『一人ではない』と感じてほしい」として、全国からの寄付金で購入した「日食安全観察シート」を14日に贈る。
 
 今回の金環日食は、本州の太平洋側を中心とした東西の長いベルト地帯で観察できる。ベルトの上側(北側)の端にあたる「北限界線」が、仮設住宅の上を走る。北限界線が通るのは熊本、愛媛、兵庫、京都、長野、群馬など。日食は西から東へと順次、観察できる地点が移っていくため、福島は本州の終着点になる。