報復と陥穽

陳光誠氏のおい、故意殺人の疑いで逮捕 渡米へ影響も (www.asahi.com 2012年5月12日19時32分)
 
 中国の「盲目の人権活動家」陳光誠氏(40)のおい、陳克貴氏が故意殺人の容疑で山東省臨沂市沂南県の検察・警察当局に逮捕されたことがわかった。当局と対立していた光誠氏が留学目的で渡米することを中国政府は容認したが、おいの逮捕が出国に影響を与える可能性がある。
 
 光誠氏を支援してきた在米人権団体、チャイナ・エイドが11日、明らかにした。連絡が取れなくなっていた克貴氏を9日付で逮捕したことを示す文書が家族に届いたという。故意殺人は、過失ではなく明確な意思を持って殺人を犯した場合に適用される。
 
 克貴氏の弁護士が同団体に伝えたところによると、光誠氏が軟禁されていた山東省の自宅を脱出した後の4月26日夜、地元当局者20人以上が克貴氏の自宅に侵入。両親が殴打されているのに気づいた克貴氏が、刃物で当局者3人に切り付けてけがをさせたという。
 
 同団体は「おいの逮捕は光誠氏に対する報復だ」と指摘し、克貴氏が有罪になれば死刑になるおそれがあるとしている。中国政府は今のところ、公式なコメントを出していない。