ダークマターを探す

宇宙の暗黒物質解明へ、新検出器「XMASS」 (www.asahi.com 2010年10月9日8時52分)
 
 宇宙の成分の2割を占めるのに、正体が不明な暗黒物質を探す東京大宇宙線研究所の観測施設「XMASS(エックスマス)」が、岐阜・神岡の鉱山跡にほぼ完成し、8日、報道陣に公開された。性能は米や伊などにある施設の50倍。最初に検出できればノーベル賞が確実視され、世界の研究機関が競っている。
 
 XMASSは、高さと直径が10メートルの水槽に、直径1メートルの球状の「液体キセノン検出器」をつるした装置。検出器の内壁には642個の超高感度のセンサーが取り付けられている。ニュートリノ検出器スーパーカミオカンデの近くの坑道内に6億円をかけて建設された。現在は検出器が水に浸る直前で、オレンジ色に鈍く光る検出器が、来春にも観測を始める。
 
 宇宙の構成は目に見える物質が4%ほどで、23%を暗黒物質、73%が暗黒エネルギーということが、銀河の動きや集まり方の観測からわかっている。実験代表者の鈴木洋一郎教授は「課題はまだあるが、ようやくスタートラインについた」と話した。