受賞作なし――芥川賞に最も嫌われた男

島田雅彦さんが芥川賞選考委員に 6回の落選経験 (www.asahi.com 2010年10月12日17時30分)
 
 日本文学振興会は12日、作家の島田雅彦さん(49)を芥川賞選考委員に加えると発表した。島田さんは1983年の「優しいサヨクのための嬉遊曲」以来、芥川賞で最多となる6回の落選を経験し、同賞を受賞していない。芥川賞未受賞の選考委員は現在、黒井千次さんと山田詠美さん(直木賞を受賞)がいる。
 
 島田さんは委員就任の打診をされた際、その理由を尋ねたという。「因縁はあるにせよ、ほかの新人賞の選考委員での功績が認められたことと、芥川賞の歴史的役割は終わったなどと言っている人間が入った方が賞が活性化すると思われたようです。私の場合、6回の落選で5回が受賞作なしだったので、そうした不幸のないようにしたい」と話した。
 
 また、直木賞の選考委員に作家の伊集院静さん(60)と桐野夏生さん(59)が加わることも発表された。新選考委員は来年1月17日に開かれる第144回の選考会から参加する。