平城遷都1300年祭

奈良の50社寺、120件の特別公開 遷都1300年祭 (www.asahi.com 2009年4月19日5時3分)
 
 2010年に奈良県で開かれる平城遷都1300年祭の主要事業のひとつ、「秘宝・秘仏特別開帳」(朝日新聞社共催)の概要を、県などでつくる遷都祭の事業協会が14日発表した。県内約50の社寺が参加、来年1年間を通して120件超の特別公開が予定されている。
 
 目玉の一つは、室生寺五重塔宇陀市)、当麻寺東塔・西塔(葛城市)、壺阪寺三重塔(高取町)の内部の初公開だ。1階部分にあたる初層内陣を見ることができる。
 室生寺五重塔奈良時代後期〜平安時代初期の創建で、高さ約16メートル。屋外にある五重塔としては国内最小だ。当麻寺の東塔は奈良時代前半、西塔は平安時代初期に建てられた三重の塔。壺阪寺三重塔は室町時代に再建された。
 通常は1年に1日など公開が限定されている法隆寺の伝法堂内陣諸仏、東大寺の俊乗上人坐像なども期間を延長する。日程調整中の社寺もあり、参加社寺は増える見込みだ。
 事業協会は特別開帳以外の事業も発表。遷都祭の主会場の平城宮跡奈良市)では、4〜11月に、平城京を映像で体感する「平城京歴史館」が開設されるほか、長さ約30メートルの遣唐使船の復元模型も登場する。国内外のアーティストによるコンサートなどのイベントも予定されている。
 ただ、遷都祭は資金繰りが難航している。事業協会は今秋までに総事業費の収入のめどがつかなかった場合は、一部イベントの縮小も検討する。
 
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【主な秘宝・秘仏の来年の公開日程】
室生寺  五重塔(国宝) 1、3、9月に16〜17日間ずつ
当麻寺  東塔・西塔(同) 5月20日から1カ月
壺阪寺  三重塔(重文) 3〜5月と10〜12月の計5カ月半
法隆寺  伝法堂(国宝)の内陣諸仏 2月18〜28日
東大寺  俊乗上人坐像(同) 春ごろ
金峯山寺  蔵王権現立像(重文) 9月1日〜10月12日
長谷寺  十一面観音菩薩(同)御影大画軸 3月15日〜5月16日