松岡正剛 『多読術』

「読書って二度するほうがいいんです。同じ本をね。初読当時の感想を今日の時点からあらためて眺める視線が必要です。その「開き」こそはたいへん重要なもので、ぼくの経験では読書の本質にかかわるようなことが少なくない。時間と空間をまたぐ視線が大事であったことにも気がつかされる。」 (p.14〜15)
 
 過去の著書でも言及されてきた、松岡正剛流「読書術」「読書の愉しみ」。
 
「今でも一年のうちの三百日くらいは、午前三時以前には寝ません。」 (p.46)
 
「よく節煙や禁煙を勧められるけれど、きっと本を読むのをやめたら、禁煙もできるでしょうね。だったらやめっこない(笑)。」 (p.68)
 
「目次を見て、ごくごくおおざっぱでいいから、その本の内容を想像する。この三分間目次読書によって、自分と本とのあいだに柔らかい感触構造のようなものが立ち上がる。あるいは、柔らかい『知のマップ』のようなものが立ち上がる。それを浮かびあがらせたうえで、いよいよ読んでいく。これだけでも読書は楽しいですよ。」 (p.70〜71)
 
「読書によって読み手は新たな時空に入ったんだという実感をもつことです。そのことを読みながらリアルタイムに感じることです。それをはっきりさせるための方法として、読みながらマーキングすることを勧めています。」 (p.82〜83)