W・G・ゼーバルト 『アウステルリッツ』

60年代後半 イギリスからベルギーへの旅を繰り返す「私」
アントワープ中央駅の待合室 建築史家・アウステルリッツとの出会い
 
――会った当初から私を驚嘆させたのは、アウステルリッツがこうした思索を話をしながら纏め、いわばとりとめのない思いつきからこのうえなく端正な文章をつむぎ出し、さらに彼にとって専門知識を語り伝えることが、一種の歴史の形而上学へのゆるやかなアプローチになっていることだった。(p.12)
 
<苦痛の痕跡>
 
ブレーンドンク要塞(強制収容所、1940〜44.8)
   ジャン・アメリーの手記
   クロード・シモン『植物園』
 
アウシュビッツ  ホロコーストの暗示
 
1996年12月 右眼の視力が一夜にして失われた私 ロンドンの眼科医へ
ホテルのバーで20年ぶりにアウステルリッツと再開
   ウィトゲンシュタインとの相似 : リュックサックを携行する人