信仰の対象と芸術の源泉としての富士山

富士山、世界文化遺産に登録決定 三保松原も含む (www.asahi.com 2013年06月22日19時11分)
 
 カンボジアプノンペンで開かれているユネスコ世界遺産委員会は22日、「富士山」(山梨、静岡両県)を世界文化遺産に登録することを決めた。同委の諮問機関が事前勧告で、構成資産からの除外を登録の条件とした三保松原(みほのまつばら、静岡市)は、委員国の支持を集めて、資産に含まれることになった。
 
 「富士山」の登録で、国内の文化遺産は13件、自然遺産と合わせた世界遺産は17件になる。
 
 富士山は、現地時間午後2時半(日本時間同4時半)過ぎから開かれた同日の後半の部の冒頭で40分余りにわたって審議された。特に、世界遺産委員会の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)が構成資産からの除外を求めていた三保松原について、各国から「重要である」との発言が相次いだ。議長が登録を宣言すると各国の代表団から祝福の拍手が湧いた。
 
 富士山から45キロ離れていることなどが問題視された三保松原だが、日本政府は「芸術の源泉であることを担保し、信仰の対象としても重要な資産」と主張。世界遺産委員会の委員国に、三保松原の重要性を伝えてきた。事前の感触は厳しかったが、近藤誠一文化庁長官自らプノンペンに乗り込み、委員会での審議直前まで働きかけを続けていた。
 
 また名称は、文化遺産としての性格がよりわかるよう、推薦時の「富士山」から「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」と変更された。