高松塚古墳という「失敗」

高松塚古墳の国宝壁画、複数の学会に公開 奈良の修理室 (www.asahi.com 2013年3月30日21時56分)
 
 劣化のため石室を全面解体して2007年から修理作業が進む奈良県明日香村の高松塚古墳特別史跡、7世紀末〜8世紀初め)の極彩色の国宝壁画が30日、同村の修理作業室で複数の学会のメンバーに公開された。海外の一部専門家らを除き、まとまって研究者が入室するのは初めて。
 
 日本考古学協会文化財保存修復学会など4団体の17人が観察した。31日にかけて、考古学、日本史、美術史、保存修復の4分野、11団体のメンバーが1回1時間に限って入る。図像のない余白部分のカビ除去などが現在実施されている。
 
 日本考古学協会会長の田中良之・九州大大学院教授は「壁画の余白はよくクリーニングできている。実物を見て、(壁画の描かれた)しっくいや石材がもろく、傷んでいることが分かった。修理が完了後、古墳に戻し朽ち果てても良いのか。文化財は国民の財産との見地から、保存と活用の方策を模索しなければならない」と語った。