米ロの通商関係正常化へ

米ロ40年ぶり貿易正常化へ 米議会、制限撤廃法案可決 (www.asahi.com 2012年12月7日13時50分)
 
 米議会は6日、ロシアに対し、同国との通商取引の制限を撤廃する法案を可決した。約40年ぶりに米ロの通商関係が正常化する。ただ、ロシアの人権問題を制裁する新法案も同時に可決したため、ロシア側の新たな反発を招きそうだ。
 
 米国は1974年、移民の自由を認めない共産圏に対し、関税などで最恵国待遇を与えない「ジャクソン・バニック修正条項」を制定。ソ連崩壊後も条項は残り、「米ソ冷戦時代の遺物だ」とロシア側が撤廃を求めてきた。
 
 ロシアは今年8月に世界貿易機関WTO)に加盟したが、条項は米ロ通商の大きな障害となっていた。
 
 輸出拡大による景気回復を目指すオバマ政権は、ロシアを条項の適用除外とすることに意欲を示していた。先月の下院可決に続き、6日には上院本会議で与野党の賛成多数で適用除外の法案を可決した。
 
 オバマ大統領の署名後に施行される。オバマ氏は「米企業や労働者が(対ロシアのビジネスで)WTOルールを最大限に活用できるようにするものだ」と歓迎する声明を出した。
 
 ただ米議会は同時に、ロシアの人権問題への制裁を定めた新法案も可決した。ロシア当局が税金を横領したと告発した後、2009年に獄中死したロシア人弁護士マグニツキー氏にちなんだ法案で、違法な拷問などに関与したことがあるロシア当局者に対するビザの発給停止などが柱だ。多くの米議員が通商正常化の条件としてこの新法の制定を求めていた。