詳説世界史研究 改訂版

 受験参考書を毎日10ページずつほど、「読み物」のように読む。意外と面白い。よくも悪くもバランスのとれた構成。マクニールの『世界史』の大半が、西欧世界成立に至る中世までの記述に重点が置かれているのとは対照的。
 
 2008年刊行の初版で、誤植、そのほか説明文のつながりの不自然なところ(少なくとも1カ所は文章の脱落?)があり、執筆担当者により文章の質に若干差が出ている感もある。しかし、全体を通じて平易ながら読み応えがあり、社会人向けの“図解風”世界史本に手を出すくらいなら、本書を繰り返し通読した方がよほどためになるだろう。