改善を図る状況にはない

日中国交正常化40周年記念式典が中止 尖閣国有化影響 (www.asahi.com 2012年9月23日19時37分)
 
 中国の対日交流団体、中日友好協会などは23日、北京の人民大会堂で27日に開く予定だった日中国交正常化40周年の公式記念式典を延期すると日本側の関係団体に通知した。事実上の中止であり、国交正常化を祝う公式記念式典が取りやめとなるのは初めて。尖閣諸島を巡る日中の対立が深まる中、両国関係の改善を図る状況にはないとの中国側の厳しい認識を示すものだ。
 
 国営新華社通信は23日、同協会責任者の話として、「中国側は国交正常化40周年の記念式典の日程を再調整し、適切な時期に行うことを決めた」と伝え、「日本が中国の反対を顧みずに釣魚島(尖閣諸島の中国呼称)購入に固執し、40周年記念の雰囲気を壊した」ことが原因だとした。
 
 日中関係改善のタイミングではないとの中国共産党指導部の判断を受けたものとみられ、事態打開に向けた日中の交渉が一層困難になるのは必至だ。
 
 ただ、複数の日中関係筋によると、日本側友好団体の代表と中国側要人との会見や日中双方の友好団体間のパーティーの予定はキャンセルされていない。中国側は唐家セン(センは王へんに旋)・同協会長(元外相)らが会談に応じるとしているという。
 
 公式記念式典は、1972年9月29日の日中国交正常化を記念し、節目の年に開かれてきた。党指導部は対日関係の重要行事として重視。2002年の30周年の際にも、直後の党大会で総書記に就任した胡錦濤国家副主席(当時)らが出席して開催された。
 
 日中友好協会幹部によると、今年も日中双方は千人規模の式典を計画。当初は日本からは複数の首相経験者のほか、国会議員団や日中経済協会などが参加する予定だったが、尖閣問題を受け、中国側が官民の交流を相次いで中止する中、調整が続いていた。
 
 一方、25〜28日の日中経済協会(会長=張富士夫トヨタ自動車会長)の代表団の訪中計画も中止になる可能性が高まっている。張会長や米倉弘昌経団連会長ら約20人が参加し、記念式典にも参加する予定だった。