愛国有罪

丹羽・中国大使の車襲われる けがなし、国旗奪う (www.asahi.com 2012年8月27日23時55分)
 
 北京の日本大使館によると、27日午後4時(日本時間午後5時)すぎ、北京市内を走っていた丹羽宇一郎・駐中国大使(73)の乗った公用車が、少なくとも2台の乗用車に停止させられた。うち1台から降りてきた男が、公用車の前に掲げていた日本国旗を奪って逃げた。丹羽大使にけがはなかったが、国旗用のポールが壊れた。
 
 香港の活動家らが沖縄・尖閣諸島に不法上陸した事件をきっかけに、中国各地では反日デモが広がっている。警察当局が活動家らを逮捕したことなど日本側の対応に不満を持った者の犯行とみられる。
 
 大使館の堀之内秀久次席公使は同日、中国外務省の羅照輝アジア局長に抗議し、再発防止を求めた。また2台の乗用車のナンバーと現場写真を北京市公安局に提出し、器物損壊容疑で捜査するよう要請した。
 
 中国側は「極めて遺憾」とし、在留邦人の安全を確保するなどと応じた。
 
 大使館関係者によると、2台の乗用車が大使の車の前後をはさむように走行し、急停車させた。出てきた男は日本国旗を奪った後、気勢を上げたという。
 
 また、2台の乗用車はしばらくの間、公用車を追走しており、ほかにも車がいた可能性があるという。別の関係者によると、2台のナンバーは異なる地域のもので、「計画的な犯行の可能性は低い」とみている。丹羽大使は就任後、外出の際はいつも公用車に日本国旗を掲げていた。
 
 現場は、市中心部に近い四元橋付近。大使は中国政府当局者と会った後、大使館に戻る途中だった。
 
 北京市内では2004年、サッカー・アジアカップ勝戦が終わった後、スタジアムを出ようとした日本公使2人の乗った大使館車両が、中国人サポーターに襲われ、窓ガラスが割れるなどの被害を受けた。