神の粒子

「最後の素粒子ヒッグス粒子を発見か 欧州の研究機関 (www.asahi.com 2012年7月4日21時33分)
 
 万物に重さ(質量)を与えるとされ、「神の粒子」ともいわれる「ヒッグス粒子」とみられる新粒子を発見したと、スイス・ジュネーブ近郊にある欧州合同原子核研究機関(CERN)が4日、発表した。素粒子物理学の基礎となる「標準理論」の中で唯一見つかっていなかった素粒子。宇宙の成り立ちを知ることにつながる発見だ。
 
 今回発表されたのは、東大や筑波大など日本の16研究機関が参加する「ATLAS」と、欧米を中心とした「CMS」という二つの研究チームの実験成果。ともに、2008年に稼働を開始したCERNの巨大加速器「LHC」を使って探索実験を続けていた。
 
 ヒッグス粒子は、加速器で光速近くまで加速した陽子と陽子を衝突させることで人為的に作り出すことができる。だが、瞬時に別の粒子や光に変わり、直接観測できない。そこで、変身後の粒子や光を検出器でとらえ、データを統計的に解析することでヒッグス粒子の存在確率を割り出す。データ量が増えるほど確率は高まる。