不整脈の太陽

太陽の活動、20年前から低下? 日米の天文台が観測
 (www.asahi.com 2012年6月1日9時13分)
 
 太陽の活動が20年前から低下していることが、日米の天文台の観測データの分析でわかった。太陽は最近、日本の人工衛星が「冬眠入り」の兆候を観測したが、実はかなり以前から眠りにつこうとしているらしい。国立天文台や米航空宇宙局の研究者などが米天文誌「アストロフィジカルジャーナル」に発表した。
 
 太陽の活動度は電波や磁場の強さでわかる。国立天文台野辺山太陽電波観測所(長野県)の太陽電波望遠鏡が観測した電波の強さと、米キットピーク天文台アリゾナ州)が観測した磁場のデータを、今回改めて研究者が調べたところ、いずれも過去20年間、活動の低下が続いていることを示していた。
 
 日本の衛星「ひので」は昨年、一緒に反転するはずの太陽の北極と南極の磁場の反転周期が乱れていることを観測。過去に太陽が30〜70年の「冬眠」に入る直前と同じパターンであることをつきとめたが、両天文台も同じ乱れを観測していた。
 
 国立天文台の柴崎清登教授は「周期が乱れた太陽は、いわば『不整脈』を起こしている状態。活動の低下傾向は10〜20年は続くだろう」と話した。