太安万侶の帰郷

太安万侶の遺骨、分骨へ 古事記編纂から1300年 (www.asahi.com 2012年4月16日12時19分)
 
 日本最古の史書古事記」の編纂から1300年を迎えた今年、編纂した文人太安万侶(?〜723)の遺骨が、奈良市の寺から、奈良県田原本町にある神社に分骨されることになった。神社は安万侶の出身氏族が代々宮司を務め、“帰郷”を働きかけた。
 
 安万侶は奈良時代前期の712年、伝承や天皇の系譜を書き記した古事記元明天皇に献上したとされる。安万侶は古代の豪族・多(おお)氏の出身とされ、多氏の根拠地とされる田原本町の多神社そばには安万侶の墓との伝承があった塚(直径約8メートル、高さ約1.5メートル)が残っている。
 
 しかし、北に約15キロ離れた奈良市此瀬町の茶畑で1979年、位階勲位や姓名などが記された銅板の墓誌(国重要文化財)や火葬された人骨が出土し、安万侶の墓と判明。骨は近くの十輪寺奈良市大野町)に引き取られ、供養された。