ナノ材料と多剤耐性菌

ナノ材料、多剤耐性菌増やす恐れ 中国研究チームが発表 (www.asahi.com 2012年3月14日18時13分) 
 
 化粧品や薬品など日用品にも利用が広まっているナノ材料が、多くの抗生物質が効かない多剤耐性菌を増やす可能性があることがわかった。中国のチームが今週の米科学アカデミー紀要電子版に実験結果を発表した。
 
 細菌は、通常のDNAとは別のプラスミドと呼ばれるDNAを持つ。これが別の細菌に移ることがあり、薬剤耐性が広がると考えられている。
 
 酸化アルミニウムや二酸化ケイ素などのナノ材料を水に加え、大腸菌からサルモネラ属菌へプラスミドの中の多剤耐性遺伝子が移る効率を調べたところ、ナノ材料なしの場合に比べて数十〜数百倍になっていた。ナノ材料が細菌の細胞膜を傷つけ、耐性遺伝子が細胞間で移りやすくなったらしい。