意識

 交通事故や脳卒中で「植物状態」になっても、意識のある人はいる。――
 こんな基本的な事実が、今日まで未解明であったことに驚く。

植物状態」でも言葉に反応 カナダの大学が脳波調査 (www.asahi.com 2011年11月12日0時37分)
 
 交通事故や脳卒中で「植物状態」になっても意識のある人がいることが分かった。患者16人に脳波を測る装置をつけ、言葉の指示に対する反応を調べたところ、3人(19%)が正常な人と同じ反応を示した。10日付の英医学誌ランセット(電子版)で発表された。
 
 実験は、カナダやベルギーの大学のチームが、英国とベルギーの二つの病院で行った。脳波の活動をみる装置を頭につけた植物状態の患者16人に、音が鳴ったら「右手を握りしめた後、ゆるめる」か「両足のつま先を動かした後、ゆるめる」場面を想像するという指示を聞かせた。一定間隔を置いて、指示を100回前後繰り返したところ、20〜40代の3人からは比較のために実施した正常人と同じ脳波が検出された。体を動かすことはできないが、言葉を聞き分け、脳から決められた体の部位を動かすように指示が出ているとみられる。
 
 今回の実験に使った装置は、安価でどの病院でも導入できるもので、研究チームは、現場での診断に活用することを提案している。