ノーベル医学生理学賞に米のボイトラー氏ら3氏

ノーベル医学生理学賞に米のボイトラー氏ら3氏 (www.asahi.com 2011年10月3日19時33分)
 
 スウェーデンのカロリンスカ医科大は3日、今年のノーベル医学生理学賞を、米スクリプス研究所のブルース・ボイトラー教授、フランス分子細胞生物学研究所のジュール・ホフマン所長、米ロックフェラー大のラルフ・スタインマン教授に贈ると発表した。
 
 ボイトラー教授とホフマン所長は、生物が生まれながらに持っている「自然免疫」の仕組みを解明。スタインマンは、生まれた後に様々な病原体にさらされてから作られる「獲得免疫」で重要な役割を果たす「樹状細胞」を発見した。いずれも、感染症やがんなどの治療法開発への道を開いた。
 
 賞金は、1千万スウェーデンクローナ(約1億1千万円)で、受賞者3人で分ける。授賞式は12月10日、ストックホルムである。
 

故スタインマン教授の受賞取り消さず ノーベル財団 (www.asahi.com 2011年10月4日12時57分)
 
 ノーベル財団は3日、今年のノーベル医学生理学賞受賞者について、発表直前の9月30日に亡くなっていたことがわかった米ロックフェラー大のラルフ・スタインマン教授を含む3人に与える決定を変更しないことを決めた。
 
 財団によると、3日午前11時半に授賞が発表されたが、死去の知らせがロックフェラー大の学長を通じて財団に入ったのは午後2時半だった。
 
 対応を検討した結果、故人には授賞しないという内規はあるが、授賞を決めた時点で死去の事実を把握していなかったことを考慮。発表から授賞式までの間に亡くなった例に準じ、発表通り賞を贈ることにした。ロイター通信によると、賞金1千万スウェーデンクローナ(約1億1千万円)の半分は、予定通りスタインマン教授側に支払われる。
 
 スタインマン教授は4年前に膵臓がんがみつかり、受賞業績となった「樹状細胞」を使った免疫療法を自ら処方し、治療を続けていた。