ワーキングメモリーを開放する

試験前に不安を書けば、成績上がります 米シカゴ大研究 (www.asahi.com 2011年1月18日18時39分)
 
 重圧のかかるテストの前に不安を書くと成績向上――。学生を対象にした実験で、米シカゴ大の研究チームがそんな結果を明らかにした。本番に弱いタイプの人には朗報かもしれない。米科学誌サイエンスに発表した。
 
 大学生20人に数学のテストを受けてもらった。1回目は「ベストを尽くすよう」指示した。2回目は、「成績優秀者には報酬を渡すが、2人ペアでどちらも成績を20%上げないといけない」などと重圧をかけた。開始前、大学生の半数に「試験に関する不安」を10分間書いてもらい、もう半数には10分間静かに座ってもらった。
 すると、不安を書いたグループのみ2回目の成績が上がった。ただ、試験と関係ないことを書いた実験では成績が上がらなかった。
 
 高校生を対象に、期末試験で同様の実験をしたところ、同じような結果が出たという。
 
 研究グループは、問題文や計算した数字など一時的に情報をとどめる脳のメモ帳(ワーキングメモリー)が重圧で十分に働かなくなるのを防ぐ効果があるとみている。