生命の起源

「生命の起源」発見なるか はやぶさ試料から大きな粒子 (www.asahi.com 2010年11月17日20時5分)
 
 宇宙航空研究開発機構は17日、探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワ」から持ち帰ったカプセルから、50〜60個の比較的大きな粒子を回収したと宇宙開発委員会に報告した。0.1〜0.01ミリあり、生命の起源となるアミノ酸が含まれていれば分析できる大きさという。
 
 報告によると、大きな粒子は顕微鏡の観察で見つかり、極細の針で一つずつ拾い上げた。容器の素材のアルミなど地球の物質と見られる粒子は3個程度。電子顕微鏡を使った測定はまだだが、イトカワの粒子の可能性が高い。
 すでに見つかった約1500個の微粒子の10倍の大きさで、わずかしか入っていない成分も検出しやすく、アミノ酸を作る炭素や有機物を調べるのに十分な大きさという。
 
 アミノ酸は、地球に落ちた隕石や米航空宇宙局(NASA)の探査機が接近した彗星でも検出された。イトカワで見つかれば、太陽系の至る所に生命の卵があることになり、火星の地下や、地底に海がある木星の衛星に微生物がいる期待が広がる。
 東京大などの観測では、生まれたばかりの星の周りで、さらに単純な炭素の分子が見つかっている。こうした炭素が熱を受けるなどでアミノ酸になるのなら、近年発見が相次ぐ太陽系外の惑星にも生命がいる可能性が高まる。
 
 はやぶさのカプセルには、まだ開けていないもう1室がある。着陸時の条件がよく、さらに大きな粒子が入っていると期待される。宇宙機構の藤村彰夫教授は「大きいものは貴重で人類の宝。どう分析するか、1500個の微粒子とは別に検討したい」と話した。