鶏問題

ニワトリが先かタマゴか、やはり難問 英の研究で論争 (www.asahi.com 2010年7月20日11時5分)
 
 人類が長年悩み続けた謎「鶏が先か、卵が先か」がついに解決?――英国の大学が最近発表した研究で、卵の殻ができるには雌鶏が作るたんぱく質が不可欠であることがわかって「鶏が先」といったんは「決着」したかにみえた。だが、「まだ完全な回答ではない」として、本格的な「解明」はまだ先の話になりそうだという。
 
 この研究は、英シェフィールド大とウォリック大が9日に発表した。研究チームは、雌鶏が殻を一晩で作ってしまう秘密を探るため、雌鶏の卵巣にあるOC―17と呼ばれるたんぱく質の働きをコンピューターで調べた。その結果、このたんぱく質に殻を硬くする炭酸カルシウムの結晶を急速に成長させる働きがあることを突きとめた。
 
 研究チームのシェフィールド大の研究者が「鶏が先という科学的証拠が得られた」と勇み足気味のコメントを出すなどしたため、「難問がついに解決」と騒ぎになった。同じチームのウォリック大の研究者は15日、「謎そのものが無意味。今回の成果は人工骨の開発などに役立つだろうが」とのコメントを追加で発表、沈静化に走っている。
 
 シェフィールド大の広報担当者は取材に「今回の研究の範囲では『鶏が先』だが、完全な回答にはならない。解明は哲学者や進化生物学者に任せたほうがいい」と答えた。