Horowitz / Scarlatti Sonata L23


1986年 モスクワ・ライブ
 
 台所でコーヒーを作り、それを飲み、ラジオで「バロック音楽をあなたに」を聴きながら髭を剃る。日々曲目だけが変わる。昨日はたしかラモーの鍵盤音楽だった。 (村上春樹1Q84 BOOK2』 p.340)
 
 不意にバロック音楽が聴きたくなる。しかし、昔集めたレコードは、そのほとんどが10数年前の引っ越しの際に散逸してしまい(バッハの「フルートとチェンバロのためのソナタ」やらヘンデルの「水上の音楽」、それからアルゲリッチポリーニミケランジェリコルトーなどいろいろ)、持っていたと覚しきホロヴィッツスカルラッティも(これはCD)見つからなかった。しかし、その気になりさえすれば、かのモスクワ・ライブDVDの映像をYouTubeで手軽に視聴できる。これは確かに便利だ。
 
 ところで、ぼくも高校生の頃、FM大阪で放送していた「バロック音楽をあなたに」が好きで、大学に入ってからも、グールドの死(1982年10月4日)をこの番組(バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を流して追悼特集を行っていた)で知った記憶がある。
 ただし、上に挙げた村上春樹の小説の一節と異なり、当時この番組は土曜か日曜の早朝(5時か6時)、週1回のプログラムだったと思うのだけれど、違っただろうか?