貫成人 『哲学マップ』

 そもそも哲学の「領土化」など意味があるのか、と問うてみても仕方がないだろう。古代ギリシャ哲学から現代哲学までを大胆に俯瞰、「哲学マッピング」という切り口から哲学を「思考の道具」として徹底活用するための“実用ガイドブック”。
 
 紙幅の関係上、あまりにも多くのことがこぼれている半面、こんなことまで言及しているのか、という大胆なアンバランスさが面白い。「次の一冊」を読みたくさせるという点で、哲学入門のための「入門書」として楽しめる。