単純化すると分からなくなること

朝日新書『量子の新時代』
 
第1部「劇的な量子」は量子力学を単純化して説明しようとするが、むしろそれが正確な理解の妨げとなっている。
「EPRの逆説」など、アリスとボブの部屋が少なくとも月と地球上くらい離れていないと、何がパラドックスの話題になっているのか分からない。
シュレーディンガーの猫も、比喩を脚色しすぎ。なぜここで人道主義(?)が顔を擡げるのか。
 

SF小説がリアルになる 量子の新時代 (朝日新書 187)

SF小説がリアルになる 量子の新時代 (朝日新書 187)