松岡正剛 『白川静』

「文字のひとつずつを解明するだけでなく、文字がそのような形や音という根拠をもたざるをえなかった古代社会の祈りや恐怖や欲望や期待を解明することと、文字それぞれが不即不離になっているのです。…さまざまな文字のアソシエーション(連携、連想)を通して「世界の普遍化」と「世界の特殊化」とが連動して解読できるんだという、その場で大声を上げたくなるほどの感動的な衝撃だったのです」(p.58)
 
 
呪能をもつ漢字
「右の手でサイをもった形が右ならば、左の手で工をもった形が左です。…その『工』に左右から手を組み合わせた文字もある。それが呪具をかかげて踊るシャーマンをあらわす『巫』になります」