「時間」とは何か (Newton 5月号)

 時間は、過去から未来へと、ひたすら流れていく。私たちは、その流れを止めることも、逆流させることもできない。容赦なく過ぎ去っていく時間の流れに、ただ身をゆだねるしかないのだ。
 時間を巻きもどすことはできないのだろうか? 時間に「はじまり」はあるのだろうか、それとも無限の過去から流れつづけているのだろうか? そもそも「時間」とは、いったい何なのだろうか?
 2500年以上も人々を悩ませているこれらの問いに、人類はまだ、はっきりとした答えを出せずにいる。だが、物理学者たちはあきらめてはいない。今まさに、理論物理学の最前線では、「時間の正体」を突き止めるための新たな挑戦がはじまっているのだ。
(扉より)
 
「ゼノンのパラドックス」の謎  時間を無限に短くきざむことは本当に可能なのか
 
ニュートンの「絶対時間」とライプニッツの「関係説」
アインシュタイン特殊相対性理論
世界標準時の基準となる原子時計GPS衛星の原子時計などは、相対性理論による時間のずれをつねに補正しないと使いものにならない
 
どちらが「過去」で、どちらが「未来」なのか
――ニュートン力学も、電磁気学相対性理論量子論なども時間の向きをまったく区別しない
 
「時間の矢」…… ルートヴィッヒ・ボルツマン「エントロピー増大の法則」
膨大な数の原子がかかわる過程はほとんど確実に不可逆なものになり、その結果として時間の矢があらわれる
 
(1)時間のはじまり
 
 
(2)量子重力理論
 
 
リー・スモーリン「物理学はまだ、時間の正体をつかみかねている」