和平崩壊への序曲? 新政権は発足へ

ネタニヤフ政権発足へ イスラエル、左右連立30日にも (www.asahi.com 2009年3月26日1時20分)
 
 イスラエルで新政権の組閣を進めている右派政党リクードのネタニヤフ党首は25日、党の会合で「来週中に国会に組閣(名簿)を報告する」と述べ、新政権発足の陣容が固まったとの認識を示した。左派政党、労働党が24日に連立政権参加を決めたことを受けた発言だ。
 
 AFP通信によると、リクードの幹部は25日、新政権の正式発足が30日、もしくは、31日になるとの見通しを示した。ネタニヤフ氏は会合で、「労働党が加わることにより国民の希望通り、安定した、強い政府が発足する」と述べ、左右連立政権による安定した政権運営に自信を示した。
 
 労働党が連立参加を決めたことで、既に連立合意している右派2党を含め国会定数120の過半数の66議席を確保したが、労働党内では一部議員が、右派中心の連立に参加することに反発している。
 このため、リクードは政権を安定させるための政権内の議席増を目指し、25日からユダヤ教諸政党との連立交渉に入っている。
 
 ネタニヤフ氏の組閣期限は4月3日。それまでに組閣の内容をペレス大統領と国会議長に報告し、1週間以内に国会で承認を受け首相に正式に就任する。
 
 リクード労働党は05年、中道政党の離脱で過半数割れに陥ったリクードシャロン首相(当時)が、和平推進派の労働党のペレス党首(現大統領)と連立合意。同年9月のパレスチナ自治区ガザのユダヤ人入植地からの一方的撤退の実現に結びついた。
 一方で、02年にはシャロン政権に加わっていた労働党が予算案をめぐって連立を離脱したことをきっかけに、国会が解散したこともあり、左右両派による連立は、「もろ刃の剣」とも言える。