エリアス・カネッティ 『眩暈』

 第一部  世界なき頭脳
 第二部  頭脳なき世界
 第三部  頭脳のなかの世界
 
 ローベルト・ムージルの長編やヘルマン・ブロッホの諸作と並び位置づけられ、20世紀ドイツ語文学の代表作と目される (訳者後記より)エリアス・カネッティ (1905〜94)26歳時の作品。
 
 中国学専攻であるというペーター・キーン「教授」を取り巻く衒学的、幻想的<狂気>の世界。人類の知の文化史のパロディーが目眩くダイナミズムさをもってキーン教授に襲いかかる。そして絶望的なまでに喜劇的な結末。