私はなりたくなかった

思わず、本音ポロリ 「法王になりたくなかった」 (www.asahi.com 2013年6月9日10時23分)
 
 「法王にはなりたくなかった」。ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は7日、自らが属するイエズス会系の学校の生徒たちとの交流行事で、思わず本音を漏らした。
 
 交流行事はバチカンであり、法王はスピーチの原稿を用意していたが、「5ページもあって、ちょっと退屈なんです。ぐっと縮めましょう」と、もっぱら質疑応答に時間を割いた。
 
 「法王になりたかったですか」という質問に、法王は「私はなりたくなかった」と打ち明けた。同時に「なりたがる人を、神は祝福しないんです」とも話し、法王に選ばれたコンクラーベでのやりとりを示唆した。
 
 法王宮殿ではなくバチカン内の質素な宿泊施設で暮らしていることについても、「一人は寂しい。みんなと一緒にいたいんです。心の健康のために」と答え、冗談めかしながらも、11億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会トップの孤独な立場をうかがわせた。
 
 また、「なぜイエズス会員になったのですか」という問いには、「布教にあたる宣教師になりたかった。神学生の時、日本かどこかに派遣してくださいとお願いした」と話した。だが、過去に肺を患っていたため、「激務は無理だろう」と聞き入れられなかったという。
 
 フランシスコ法王は、イエズス会出身の初の法王。1980年代に一度訪日したことがある。