野生動物の戦略

サルも「郷に入っては郷に従う」 食習慣あっさり変更 (www.asahi.com 2013年4月26日11時45分)
 
 サルも「郷に入っては郷に従う」ことが、英国などのグループの研究でわかった。南アフリカの野生ザルは群れを移ると、過去の食習慣を捨てて新しい群れのルールに従ってえさを食べた。野生動物も社会的学習によって環境に適応していた。26日付の米科学誌サイエンスで発表する。
 
 英セントアンドルーズ大などのチームは109頭の野生のベルベットモンキーを調査。子ザルや群れを移ったサルのえさの食べ方を実験で確かめた。
 
 実験で赤と青に色分けしたトウモロコシを準備。ある群れに与えるえさは赤をおいしくして青をまずく、別の群れには青をおいしくして赤をまずくした。3カ月間かけて同じ色のえさだけを食べるようにした。
 
 その後、10頭が群れを移ったが、このうち7頭は味見をせずに、他のサルが食べているのと同じ色の、まずいと思っているえさを食べた。元の群れではおいしかった色のえさには手を出さなかった。子ザルは1頭を除いて母親が食べる色のえさを食べた。
 
 研究チームは「試行錯誤するより、ほかをまねる方がいいという戦略が野生動物でもとられている」と分析している。