ボストンマラソン爆発で3人死亡

ボストンマラソンで爆発3人死亡 テロの可能性で捜査 (www.asahi.com 2013年4月16日11時42分)
 
 米東部マサチューセッツ州ボストン市で15日午後2時50分(日本時間16日午前3時50分)ごろ、開催中だったボストン・マラソンのゴール付近の観客エリアで、2度にわたって爆発が起きた。同市警によると、同日夜までに3人が死亡、100人以上がけがをした。何者かによる人為的な爆破とみられ、米連邦捜査局FBI)は政治的背景が絡むテロの可能性があるとみて捜査を始めた。
 
 爆発はマラソンのゴールに最も多くの走者や観客が集まる時間帯に起きており、被害の拡大を狙った計画的犯行だった可能性が高い。2001年の同時多発テロの後、米国内で爆弾事件によって死亡者が出たのは初めて。
 
 爆発は、レース開始から約4時間後、市民ランナーがまだ走っている最中に走路脇の観客エリアで起きた。最初の爆発でなぎ倒された観客らが白煙のなかで逃げ惑うなか、約10秒後に90メートルほど離れた地点で2度目の爆音が響いた。米メディアは、けが人は140人以上でうち17人が重体と伝えている。死亡したうちの1人は、父親のゴールを母親らと待っていた8歳の子どもだったという。この日は地元の休日で学校が休みだったため、けが人にも多くの未成年者が含まれている。
 
 ボストン市警幹部は同日の記者会見で「事件とテロとの関連を調べている」と言明を避けたが、AP通信は匿名の政府高官が「テロ行為として扱っている」と語ったと伝えた。現場近くでは不審な人物が目撃されたり、通行人が拘束されたりしているが、事件との関係は不明だ。
 
 現地メディアは、現場近くで別の爆発物が複数見つかったとも報じている。事件直後から、ボストン市内では警察当局が市民や旅行者に外出を控えるよう呼びかけ、全米各地でも警備が強化されている。
 
 ボストン・マラソンは毎年開催されるマラソンとしては世界最古で、多くの住民もボランティアや観客として参加する市挙げてのイベントとして知られる。マラソンのスタート時、ランナー数は2万3326人だったが、爆発の影響もあり、4496人が完走できなかった。事前登録によると、今年の日本からの参加者は191人だった。観客数は50万人以上にのぼっていたという。
 
 在ボストン日本総領事館によると、現在のところ、日本人が巻き込まれたという情報は入っておらず、引き続き情報収集に努めているという。