「素数」の探査

(数と科学のストーリー)素数・円周率…数を探査しよう (www.asahi.com 2013年4月14日9時44分)
 
 探査――。この言葉から連想されるのは、宇宙や深海、はたまた新種の生物、石油の探査活動でしょうか。でも、私が今回ご紹介したいのは「数の探査」です。
 
 今年1月25日に約1700万桁というその時点で最大の素数アメリカで確認された、というニュースが流れました。2、3、5、7、……など、1とその数自身でしか割り切れない2以上の自然数が「素数」です。紀元前200年ごろ、アルキメデスの友人のギリシャの数学者で、第2のプラトンといわれるエラトステネスが素数が無限にあると証明しました。以来、素数の探査は続けられてきました。数が大きくなるにつれ、素数の出現はまばらになる性質があります。巨大な数ほど探査は困難になるのです。
 
 円周率πの探査も数千年の歴史があります。コンパスで円を描く時は始まりと終わりがありますが、円周の長さと直径の長さの比を数で表そうとすると、小数点以下に無限に数が続いていく。不思議ですね。2011年、円周率を小数点以下10兆桁まで計算した記録を、日本人が打ち立てました。10兆桁目の数は5だったそうです。(以下略)