ヒッグス粒子の発見ほぼ確実に

ヒッグス粒子発見、ほぼ確実 欧州の研究機関が発表 (www.asahi.com 2013年03月14日23時39分)
 
 万物に質量を与えるとされるヒッグス粒子の発見がほぼ確実になった。スイス・ジュネーブ近郊にある素粒子実験の国際拠点、欧州合同原子核研究機関(CERN)が14日、昨夏に発見を宣言した新粒子の新たな解析結果は「ヒッグス粒子であることを強く示している」と正式発表した。
 
 CERNの大型加速器LHCで、ヒッグス探しの実験を続けてきた二つの国際チームの最新成果にもとづく。「スピン」と呼ばれる性質の値を調べたところ、新粒子は、ヒッグス粒子に特徴的な「ゼロ」という値をもつらしいとわかったことなどが根拠だ。
 
 CERNは昨年7月、「ヒッグス粒子とみられる新粒子」の発見を発表。今月6日には「この粒子の性質は、高い確率でヒッグス粒子の特徴に合う」との報告も出た。今回はさらに解析を進めた上での判断。発表で二つのチームの一つ、CMSの代表研究者は「我々がヒッグス粒子を手にしたことがはっきりした」と述べている。
 
 ヒッグス粒子は、現代素粒子物理学の枠組みである「標準理論」が存在を想定している。だが、それを超える理論が予想する別種のヒッグス粒子である可能性も残っており、その最終確認は先送りされた。