屋外より屋内が問題

たばこの煙のPM2.5「中国並み」 専門家、対策訴え (www.asahi.com 2013年02月23日11時24分)
 
 中国の大気汚染で問題化している微小粒子状物質PM2・5にからみ、日本癌学会など18学会でつくる学術グループがPM2・5を含むたばこの煙の対策を訴えている。喫煙可能な飲食店などの濃度は北京と同レベルで、日本国内では屋外よりも受動喫煙対策の不十分な屋内が深刻としている。
 
 PM2・5は直径2・5マイクロメートル以下の粒子。肺に入り込むことによる健康影響が懸念されている。
 
 22日、記者会見した禁煙推進学術ネットワーク(委員長、藤原久義・兵庫県立尼崎病院長)によると、福岡市の喫煙可能な喫茶店での測定結果は常に1立方メートルあたり300マイクログラムを超え、平均371マイクログラム。横浜市のカフェの喫煙席も200〜700マイクログラムだった。日本の1日平均の環境基準である35マイクログラムを大きく上回り、中国の屋外と同様の濃度を記録した。
 
 これに対して、中国からの越境汚染が問題となっている屋外の測定値は日平均で数十マイクログラム程度にとどまっている。
 
 飲食店では従業員も煙にさらされるため、学術ネットは以前からPM2・5の室内基準設定や屋内の禁煙化を国に求めてきた。測定した産業医科大の大和浩教授は「日本では屋外より屋内が問題。解決には全面禁煙しかない」と話した。