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3人の死刑執行 奈良女児殺害・土浦殺傷の死刑囚ら (www.asai.com 2013年02月21日11時38分)
 
 谷垣禎一法相は21日、同日朝に3人の死刑を執行したと発表した。民主党滝実元法相が昨年9月に執行して以来5カ月ぶり。昨年12月の政権交代後、自民党の安倍政権としては初の執行だ。
 
 法務省によると、執行されたのは、茨城県土浦市で起きた9人殺傷事件の金川真大(かながわまさひろ)死刑囚(29)▽奈良市の女児誘拐殺害事件の小林薫死刑囚(44)▽名古屋市のスナック経営者殺害事件の加納(旧姓・武藤)恵喜死刑囚(62)。
 
 谷垣法相は会見で「いずれも誠に身勝手な理由からの犯行で、きわめて残忍。被害者や遺族にとって、無念このうえない事件だ」と説明。この3人を選んだ理由については「個別のことは申し上げられない。一般論として極めて重大な刑なので、諸般の事情を十分勘案して決めた」と述べた。
 
 金川死刑囚は東京、小林死刑囚は大阪、加納死刑囚は名古屋の各拘置所で執行された。これで確定死刑囚は134人となった。
 
 確定判決によると、金川死刑囚は2008年3月19日、土浦市の民家で男性(当時72)を刺殺。同23日にも同市のJR荒川沖駅改札口付近などで男性(当時27)を刺殺し、7人に重軽傷を負わせた。一審で死刑となり弁護人が控訴したが、自ら控訴を取り下げ、死刑が確定した。
 
 小林死刑囚は04年11月、下校途中だった小学校1年の女児(当時7)を誘拐し、殺害した。一審で死刑となり弁護人が控訴したが、自ら取り下げ死刑が確定。07年、「取り下げは無効」と控訴審の期日指定を求めたが認められず、08年と10年に再審を請求したが、いずれも退けられていた。
 
 加納死刑囚は、名古屋市中区のスナックで02年3月に経営者の女性(当時61)を殺害し、現金を奪った。被害者が1人の事件で、一審は無期懲役、二審は死刑と判断が分かれた。最高裁は、殺人事件で服役した前科があると指摘し、上告を棄却。死刑が確定した。
 
 約3年ぶりに政権に戻った自民党で最初の法相となった谷垣氏は、昨年12月の就任会見で「被害者感情国民感情から見て、死刑制度には十分理由がある。基本的に必要だと思っている」と述べ、死刑に肯定的な姿勢を示していた。
 
 民主党政権下では11年、19年ぶりに執行がゼロになったが、12年は3月に小川敏夫法相が3人に、滝法相も8月と9月、計4人に執行していた。