ただ、自分らしく

病ゆえの容姿「自分らしく」 23人の写真展 (www.asahi.com 2013年02月10日16時18分)
 
 顔のあざや脱毛症など、見た目の症状がある人たちをモデルにした写真展「ただ、自分らしく」が、東京都中央区日本橋の木村ビルディングで開かれている。13日まで。無料。
 
 その外見ゆえにさらされがちな好奇の目や差別。自分らしさを大切に生きる姿を知ってもらいたいと、支援団体のNPO法人「マイフェイス・マイスタイル」が主催。写真家冨樫東正(はるまさ)さん(38)が撮った23人の写真を展示している。
 
 ウエディングドレスの着付け中に柔らかな笑顔を見せているのは、都内の会社員岡村信子さん(38)。20歳の時、全身の毛が抜ける汎発(はんぱつ)型の円形脱毛症になった。周囲の心ない言葉に傷つき、死を考えたこともある。28歳の時、患者会に入り救われた。「髪がなかったり、かつらをつけたりすることのマイナスイメージを払いたい。個性として受け止めてほしい」
 
 横浜市の大学生渡辺浩行さん(23)は、トリーチャーコリンズ症候群をもつ。ほおや下あごの骨の成長が不完全な病気だ。「自分が理解されないのは、病気のせい」と考えていたが、昨年の小学校での教育実習をきっかけに変わった。
 
 子どもたちは「顔どうしたの」と容赦なく聞いてくると覚悟していたが、一度もなかった。担任が事前に説明した様子もない。じわじわと自分を慕ってくる子どもを見て、「信頼関係を築くのに、病気や外見は関係ない」と気づいた。
 
 支援団体代表の外川浩子さん(45)は「他人の目に左右されるつらさを知っているからこそ、それに揺るがない自分をもっている」と話す。問い合わせは、マイフェイス・マイスタイル(03・6658・5580)へ。