新しい中国の発足

習近平・新指導部発足へ 中国、政治局常務委員に7人 (www.asahi.com 2012年11月15日11時29分)
 
 中国共産党の第18期中央委員会第1回全体会議(1中全会)が15日、北京で開かれ、党総書記に習近平(シーチンピン)・国家副主席(59)が就任する。複数の党関係者によると、最高指導部である政治局常務委員のメンバーは現在の9人から7人に減らす。10年間にわたった胡錦濤(フーチンタオ)氏(69)を筆頭とする指導体制に代わり、人口13億人の大国を率いる習・新体制が発足する。
 
 新常務委員には、李克強(リーコーチアン)副首相(57)のほか、党員の不正を取り締まる中央規律検査委員会に入った王岐山(ワンチーシャン)副首相(64)が同委書記を兼ねて就任することが確実視されている。
 
 また、張徳江重慶市党委書記(66)▽兪正声上海市党委書記(67)▽劉雲山・党中央宣伝部長(65)▽張高麗天津市党委書記(66)らの名前が挙がっている。4人は依然として党内に影響力を持つ江沢民・元総書記(86)と関係が近く、江氏が常務委入りを強く主張したとされる。
 
 常務委員のポストは、2002年の胡体制の発足時に7人から9人に増えた。党関係者によると、退任する江氏が自分に近い勢力を多く常務委入りさせるためだった。だが、政策決定に時間がかかったり、総書記のリーダーシップが弱まったりという問題点があり、胡氏らは減員を主張していたとされる。
 
 1中全会では新たに政治局員も選出される。胡春華内モンゴル自治区党委書記(49)や孫政才吉林省党委書記(49)ら、習体制の次の体制を意味する「ポスト習」の指導者候補である若手幹部の登用も有力視されている。
 
 来春の全国人民代表大会全人代)で、習氏は国家主席を胡氏から移譲されるほか、李克強氏は温家宝(ウェンチアパオ)氏(70)に代わり首相に就任する見通しだ。
 
 習氏は軍を統括する党中央軍事委員会の主席にも就任する見通しだ。総書記を退いた胡氏は、軍事委主席も習氏に移譲して、来春までに国家主席を含めたすべてのポストから退く「完全引退」をする方針を固めている。胡氏の前任総書記の江氏や●小平氏(●は登におおざと)は党の主要ポストを退いてからも軍事委主席にはとどまり、人事や重要政策の決定に関与してきていた。
 
 ただ、党関係者によると、江氏はぎりぎりまで「院政」の放棄には抵抗した。江氏に近い新しい常務委員の存在は、引き続き江氏の影響力を残すことにつながりかねない。習体制は胡氏や江氏につながる勢力の微妙なバランスの上での発足となる。