どちらがよりましか?

オバマ大統領が勝利演説「両党と協力、課題に取り組む」 (www.asahi.com 2012年11月7日20時01分)
 
 米大統領選で、民主党オバマ大統領(51)が、共和党ロムニーマサチューセッツ州知事(65)を破って再選を決めた。オバマ氏は地元シカゴで勝利演説を行い、共和党との党派対立を乗り越えて、経済の再生に取り組む姿勢を示した。
 
 ロムニー氏はオバマ氏に電話して敗北を認めたことを、7日未明(日本時間同日午後)に明らかにした。オバマ氏は来年1月20日、2期目の大統領に就任する。副大統領はバイデン副大統領が引き続き務める。
 
 オバマ氏は再選を果たしたものの、全体の獲得票数ではロムニー氏に小差まで追い詰められた。同時に行われた連邦議会選でも、下院で野党・共和党過半数を制した。オバマ氏の2期目は、選挙戦で亀裂の深まった共和党との関係を修復し、協力関係を築けるかにかかっている。
 
 オバマ氏は7日未明の演説で、「我々は激しく戦ったが、それはひとえにこの国を愛し、その未来を気に掛けているからだ」と述べた。そのうえで「(民主、共和)両党のリーダーたちと、一緒に協力しなければ解決できない課題に取り組む」と強調。具体的な課題として、財政赤字の削減、税制改革、移民制度改革、エネルギー問題を挙げた。「皆さんが我々を選んだのは雇用のためだ」と述べ、雇用創出に取り組む考えも強調した。
 
 米CNNテレビの7日朝(日本時間同日夜)までの集計によると、オバマ氏が25州とワシントンDCで計303人の選挙人を獲得。計538人の選挙人の過半数を制した。大接戦となったフロリダ州(選挙人29人)だけが、まだ勝者が決まっていない。ロムニー氏は、接戦州の多くで競り負けた。
 
 大統領選と同時に投票された連邦議会選挙では、上院(定数100のうち33が改選)で民主党過半数を得る一方、下院(定数435全て改選)は共和党過半数を維持。選挙前と同じように、上下両院がねじれた状態が続く見通しだ。
 
オバマ大統領の勝利演説(要旨)
 
 かつて植民地が自らの運命を決める権利を勝ち取ってから200年以上。今夜、我々の国は、さらに完全なものへと前進する。
 
 我々は戦争や恐慌を克服し、個人の幸福を追求しながら一つの家族として苦楽を共にしてきた。たとえ道が長く険しくとも、自ら乗り越えてきた。そのことを今回の選挙で思い起こし、合衆国の最盛期がこれから始まるのだということも知っている。
 
 たった今、ロムニー氏と(電話で)話した。私たちは激しく戦ったが、それはこの国を深く愛し、将来を強く思えばこそだ。国を前進させるために共に何ができるのか、近いうちにロムニー氏とひざ詰めで話し合うのを楽しみにしている。
 
 試練を乗り越え、重大な決断をしようとする時、必ず論争は起きる。それは我々が自由だというしるしでもある。私を支持しない人の声にも耳を傾ける。
 
 みなさんが我々を選んだのは雇用のためだ。今後、財政赤字の削減、税制改革、移民制度改革、エネルギー問題の解決に向け、民主、共和両党のリーダーと課題に取り組む。
 
 米国を特別な存在としているのは、地球上で最も多様な人々による結束なのだ。互いが次世代への義務を果たしてこそ、この国は成り立つと信じている。
 
 今夜、私はこれまでになく未来に希望を抱いている。あなたたちも、希望を持ち続けて欲しい。個人の野心や政治的な主張の違いで分裂することなく、地球上の最も偉大な国に住む仲間として共に歩み続けよう。