静かな雰囲気のもとで

北方領土、日ロ次官級協議へ 首脳会談で合意 (www.asahi.com 2012年9月8日20時03分)
 
 野田佳彦首相は8日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で訪れているロシア・ウラジオストクプーチン大統領と会談した。領土問題をめぐり秋に次官級協議を開くことで一致。経済協力を進めるため、首相は次回の訪ロについて「12月をめどに調整している」と表明した。
 
 野田首相は「協力を進めるには国民感情への配慮が必要だ」と指摘。7月のメドベージェフ首相による北方領土上陸をふまえ、自制を求めた。そのうえで北方領土問題を解決して平和条約を締結するという日本政府の立場を示し、「双方が受け入れ可能な解決策を見つけるべく首脳、外相、事務次官レベルで議論を進めたい」として秋に次官級協議を開くことを提案した。
 
 これに対し、プーチン大統領は「世論を刺激せず、静かな雰囲気のもとで解決したい」と述べたうえで、次官級協議には同意した。
 
 両首脳は、天然ガスをサハリンや東シベリアからパイプラインでウラジオストクの基地へ運んで液化し、日本に輸出する計画を進めることも確認。基地建設に関する文書に両国代表が署名した。プーチン氏は「経済関係の強化に一歩を踏み出した」と歓迎した。