星に導かれる砂漠の旅人のように

スーチー氏「平和めざす旅を」訴え ノーベル賞受賞演説 (www.asahi.com 2012年6月16日21時43分)
 
 ミャンマー民主化運動指導者のアウンサンスーチー氏(66)が16日、ノルウェーの首都オスロで、1991年にうけたノーベル平和賞の受賞演説にのぞんだ。「完全な世界平和の実現は到達できない目標だ。でも、私たちは星に導かれる砂漠の旅人のように、平和を目指して旅を続けなければならない」と訴えた。
 
 スーチー氏はミャンマーの状況を「前向きな変化が起き、民主化に向けたステップが取られている」と説明した上で、貧困や飢餓、民族対立がなお日常的だと指摘。「釈放されていない無名の囚人(政治犯)がたくさんいる」として、早期の釈放に向けて政権に圧力をかけるよう呼びかけた。自身や自ら党首を務める国民民主連盟(NLD)については「国民和解のためにどんな役割でも果たす用意がある」と話した。
 
 また、平和賞が「ビルマミャンマー)の民主化運動に世界の関心をひきつけた」と謝意を示し、世界平和を実現するための努力が「個人や民族を信頼と友情で結びつけ、我々の社会をより安全で優しいものにする」と訴えた。