173年ぶりの奇跡

「金色の輪」見えた 金環日食、列島各地で歓声 (www.asahi.com 2012年5月21日10時49分)
 
 光の輪が九州から東北まで駆け抜けた――。月が太陽に重なり、リングのように見える金環日食が21日、日本列島各地で見られた。国内で観測されたのは1987年9月23日の沖縄以来25年ぶり。天気は各地で曇りがちだったが、雲の切れ間から、太陽と月のつかの間の競演を大勢の人が楽しんだ。
 
 金環日食は太陽と月、地球が一直線に並び、地上から見ると金色の輪(金環)に見える天文現象。今回、観測可能なエリアは、中国から北米にかけての幅数百キロ程度の帯状の地域。地球の表面積全体から見ればほんのわずかだが、そこに東京、大阪、名古屋など日本の主要都市の多くが入る幸運に恵まれた。関東地方の大部分では1839年9月8日以来、173年ぶりだった。
 
 リングが最もきれいな真円になったのは静岡県や東京都などで、約5分間、太陽の面積の最大88.4%が月の後ろに隠れた。太陽表面のプロミネンス(紅炎)も見ることができた。金環日食にはならなかったものの、部分日食は天候次第で列島どこでも観測できた。