歓喜院聖天堂

埼玉・熊谷の「歓喜院聖天堂」など国宝に 文化審答申 (www.asahi.com 2012年5月19日5時38分)
 
 文化審議会は18日、色漆や金箔で極彩色に彩られた歓喜院聖天堂(かんぎいんしょうでんどう=埼玉県熊谷市)を国宝に、伊達政宗正室の愛姫(めごひめ)をまつる霊廟の陽徳院霊屋(たまや、宮城県松島町)、西園寺公望の私邸として建設された清風荘(京都市)など5件を重要文化財に新たに指定するよう平野博文文部科学相に答申した。
 
 聖天堂は、12世紀創建とされる。江戸時代に焼失したが、当時の院主が庶民に寄進を募り再建した。庶民の信仰の力で完成し、当時の建築装飾技法がおしみなく注がれた華麗な建物、と評価された。陽徳院霊屋は、松島町の瑞巌寺北側に、1660年に建立。黒漆塗りを基調に、軒周りは極彩色で引き締められている。清風荘は、端正な意匠の数寄屋建築。近代和風建築の精華、と評価された。
 
 また、日光例幣使(れいへいし)街道沿いに、江戸時代の土蔵などが多く残る町並みが特徴の栃木市嘉右衛門町(かうえもんちょう=栃木県)、豪雪地の養蚕で発展した町場のような山村集落の白山市白峰(石川県)、棚田が美しい景観をつくるうきは市新川田篭(にいかわたごもり、福岡県)など5件を重要伝統的建造物群保存地区に選定するよう、答申した。
 
 そのほか、答申された他の指定・選定は以下の通り。
 
 【国宝】唐招提寺金堂の旧鴟尾(しび、奈良市)=追加指定
 
 【重要文化財】陽徳院霊屋(宮城県松島町)▽八幡神社福島県相馬市)▽牛伏(うしぶせ)川本流水路(長野県松本市)▽清風荘(京都市)▽披雲閣(ひうんかく=高松市)▽洞口(ほらぐち)家住宅の米蔵、座敷蔵、味噌蔵(宮城県名取市)=追加指定=▽三角(みすみ)旧港施設の後方水路(熊本県宇城市)=同
 
 【重要伝統的建造物群保存地区栃木市嘉右衛門町(栃木県)▽桐生市桐生新町(群馬県)▽白山市白峰(石川県)▽安芸市土居廓中(かちゅう、高知県)▽うきは市新川田篭(にいかわたごもり、福岡県)